家庭菜園を始めると、スーパーの野菜についつい目がいき「上手に育てているなあ」とか「どうやって作っているんだろう」など、栽培方法がに気なってきます。
「有機野菜」や「無農薬野菜」「減農薬」という言葉も目にします。それぞれどう違うのでしょうか。
今回は、代表的な農法と特徴について説明します。家庭菜園の参考にしてくださいね!
目次
慣行農法と有機農法の特徴・メリットとデメリット
野菜の栽培には、大きく分けると2つの方法があります。
・慣行農法
・有機農法
それぞれの農法や、メリット・デメリットを見ていきましょう。
慣行(かんこう)農法とは
「慣行農法」とは、「有機農法」に対する言葉です。
一般的な農法をさし、農薬と化学肥料を使用します。「化学肥料」は、化学的な操作により工場で生産される肥料で、尿素や硝酸カリなどの無機化合物が原料です。
作物にすぐに吸収されて効き目がでます。
人工的な農薬や肥料を使うため、一定の形や味の作物を大量に作ることができます。また、遺伝子組み換え技術を禁止していない点も、慣行農法の特徴です。
5年前の農水省のデータでは、慣行農法の農家数は全体の95.5%。私たちがスーパーなどで買っている野菜のほとんどは、慣行農法による野菜ということになります。
慣行農法のメリットとデメリットを以下にまとめました。
慣行農法のメリット
・化学肥料や農薬を使うことで、一定の品質の野菜を効率的に作れる
・除草や病害虫の対策が減り、農家の作業が楽になる
→消費者にとっては、形がよく味も一定で、比較的手頃な値段の野菜を買える点もメリットです。
慣行農法のデメリット
・環境への負担が大きい
→農薬が土の中の微生物や自然界の生き物を殺してしまう可能性があります。大量にまいた化学肥料が、河川や土壌を汚染する例もあります。
・健康への影響が懸念される
→農水省は、正しい農薬の使い方をすれば作物に農薬は残らず健康に影響はない、としています。ただ、残留農薬を長い間体に取り入れた場合、悪影響があるのではないか、と心配する声もあります。
有機農法とは
農林水産省によると、有機農法の定義は次のようになります。
・化学肥料や農薬を使用しない
・遺伝子組換え技術を利用しない
有機農法は、環境への負担を減らし、微生物の働きなど自然が本来持っている多様な生態系の機能をいかした農業です。
化学肥料は使わないけれど、有機肥料は使います。有機肥料は、油かすや鶏ふん、牛ふんなど、生物からできる肥料です。
有機JASマークとは?
スーパーなどで、このマークが表示されている野菜を見かけたことはありませんか?
「有機JASマーク」は、以下の生産基準をクリアした生産物のみに貼られています。
・禁止された農薬や化学肥料を、2年以上使っていない畑で作物を栽培する
・栽培中も農薬や化学肥料を使わない
・遺伝子組み換え技術を利用しない
有機野菜は慣行農法の野菜に比べて割高です。理由のひとつは、栽培に手間がかかるからです。
「化学肥料」は、最初から作物に必要な無機物の状態になっているので、まけばすぐに作物に吸収されて効果が出ます。
・肥料をまく→野菜に吸収される
一方、有機農法で使う牛ふんや鶏ふんなどの「有機肥料」は、効果が出るまでに時間がかかります。
・肥料をまく→微生物が有機物を分解→無機物になる→野菜に吸収される
現在、有機農業をしている農家さんは全体の0.5%ほどとても少ないです。
以下に有機農法のメリットとデメリットをまとめました。
有機農法のメリット
・安全・安心である
→農薬や化学肥料を使って作られた野菜に比べて安全、というのがメリットです。
「味が良い」「栄養価が高い」とも言われますが、この点はケース・バイ・ケースで、絶対的な評価ではないようです。
有機農業のデメリット
・100%無農薬ではない
→「無農薬」のイメージがありますが、使用を許可されている農薬があります。
・有機肥料が安心とはかぎらない
→牛や鳥に抗生物質が投与されている、エサとなる穀物が遺伝子組み換え作物である、などの問題点を指摘する声もあります。
・栄養過多の可能性がある
→肥料をあげすぎると、土壌や野菜の栄養が過剰になります
ちなみに、「有機JASマーク」がない農産物に、「有機」や「オーガニック」などの表示をつけることはできません。「減農薬」「低農薬」などの表示もみかけることがありますが、この表示方法も法律的には禁止されています。
農薬の少ない農法については、国が定めた「特別栽培農産物」というカテゴリーがあり、「節減対象農薬の使用回数が、当該農産物の栽培地 が属する地域の同作期において当該農産物について従来から慣行的に行われている使用回数の5割以下であること 」とされています。
慣行農法と有機農法まとめ
慣行農法と有機農法の特徴を表にまとめました。
慣行農法 |
有機農法 |
|
特徴 | ・農薬と化学肥料を使う ・遺伝子組み換え技術を使うことがある |
・農薬と化学肥料を使わない ・遺伝子組み換え技術を使わない |
メリット | ・一定の規格の作物を効率よく作ることができる | ・環境や健康に負担をかけない作物を作ることができる |
デメリット | ・環境や健康への影響が心配される | ・コストがかかる ・100%無農薬ではない |
それぞれの特徴やメリット・デメリットを知って、野菜を作る時や買う時の参考にしてくださいね!
初心者にオススメの野菜の作り方はこちら!
ダイコンの作り方はこちら
ダイコン(大根)の特徴・育て方・栽培方法・コツ・家庭菜園について
ニンジンの作り方はこちら
ニンジン(人参)の特徴・育て方・栽培方法・コツ・家庭菜園について
家庭菜園でも十分ですが、農園を作って育てたい!って方には、今では農地を借りるサービスもあります!
シェア畑のサービスは栽培に必要な物は全て揃ってるから手ぶらで通えるようですよ!
畑がない都内に住んでいる方にぜひおすすめです!
シェア畑について詳しくはこちらです!
シェア畑(貸し農園)とは?高い?魅力・評判・料金・無料見学まとめ
農業をすると節税できるという嬉しい情報もあります!
こちらの記事も参考にしてみてくださいね!
人気の農業でしっかり節税!兼業農家としてお金が貯まるテクニックとは?