少し前まで、市民農園と言えば、自治体か農業共同組合が運営する農園が主流でした。
最近は、国が休耕地(使っていない畑)の有効活用を後押しをしていることもあり、民間企業が提供する市民農園も増えてきました。
「宿泊できる」「無農薬で栽培できる」「手ぶらで行ける」など、農園によって、いろいろなサービスを打ち出しています。どれがいいか迷ってしまう方もいるかもしれません。まずは農園を借りる時の基本のポイントをおさえておきましょう。その上で、自分にあったサービスや特徴のある農園を選ぶと失敗がありません。
私が借りている農園を例に、チェックポイントを説明します。参考になれば嬉しいです。
目次
家庭菜園のコツ・はじめての市民農園・借りるときのポイント
チェックポイント
・値段
・アクセス
・駐車場
・畑の広さ
・道具置き場
・水
・トイレ
・サポート体制
チェックポイントを一つずつ見ていきましょう。
市民農園の値段はいくら?
場所や面積にもよりますが、ざっくり言うと、市民農園の値段は年間5千円〜3万円前後が主流です。
今借りている農園(兵庫県東部)は、農業共同組合(JA)が事業主体として運営しています。440区画と規模が大きいです。年間の利用料金は、3万857円(税込)。4月1日から翌年の3月31日までの契約です。継続する場合は、毎年JAの口座(JAの口座を指定されている)に3月に振り込みます。
1年で3万円は、正直ちょっと高めです。私の住んでいる自治体の貸し農園は、1万円前後ですし、農家さんが個人的に貸している農園だと、5千円くらいから借りられます。ではなぜ、高めの市民農園を選んだのか?
駐車場や道具置き場などの設備があるかないか、野菜づくりのアドバイスがもらえるか、などの点も考えたからです。そのあたりを詳しく説明していきます。
通いやすい場所か?
特に夏場の野菜は、グングン育ち、定期的な水やりが必要なため、家から近い畑ほど便利です。私の農園は、家から徒歩5分ととても近く、散歩がてら通うことができるのが大きなメリットです。
以前、田舎の畑に憧れて、家から車で30分以上かかる畑を借りました。年間5千円と格安で、目の前に山が見え、鳥が啼き、空気がおいしく、素晴らしい場所でした。ただ、忙しいとなかなか畑に行く事ができず、ミニトマトやキュウリなど、育てた夏野菜をまるまる収穫し損ねたことがありました。トウモロコシもカラスに食べられちゃったな・・・。
都会から離れて自然豊かな場所で畑仕事をしたい!という方も多いので、その場合はどのくらいの頻度で畑に通えそうか、検討してみるといいですね。経験上、最低でも週1回くらいは水やりに行ける場所がおすすめです。
駐車場はあるか?
駐車場の有無を確認しよう
最近は「手ぶらで行ける」貸し農園もあります。基本的な道具や肥料、タネまで用意してくれて、駅から近く、仕事帰りにもふらっと立ち寄れるという手軽さで人気が高まっているそうです。
ただ、野菜を収穫した時はかなりの荷物になります。車で行きたい、という場合も出てくるので、どんなタイプの農園でも、駐車場が利用できるかは確認しておいた方がいいと思います。
今の農園はかなり広い駐車場(無料)があります。ふだんは徒歩で行きますが、道具や肥料を運んだり、収穫した野菜を持ち帰ったりする場合は車を使うこともあります。ジャガイモやサツマイモなどはすごく重いです!
地元の自治体の貸し農園は、駐車場がありません。家から離れているので借りるのをあきらめました。駐車場はないのですが、毎年人気で抽選のことが多いようです。行政の農園は比較的安く借りられる点が魅力。家から近い、荷物は自転車で運ぶ、などの対応ができれば、駐車場がなくてもいいかもしれません。
畑の広さはどのくらい?
一区画6m×4mほどの広さ
私の畑は24㎡、畳6畳くらいです。この広さだと、畝(うね:野菜を育てるベッド)が5本ほどでき、家族4人でそこそこ楽しめる量の野菜が収穫できます。たとえば、冬にはハクサイ5つ、キャベツ4つ、ダイコン5本、ニンジン8本、コマツナやホウレンソウ8束など。
自給自足までは遠く及びませんが、旬の野菜を1~2ヶ月は楽しめます。2年前にハクサイやキャベツの値段がびっくりするほど高かった時、畑の野菜を大事に大事にいただいたものでした。
農園によっては、100㎡以上の畑が借りられるところもあります(北海道・埼玉・長野など)。意欲的な方は、広い畑を借りても良いかもしれません。ただ、広いと耕すのが大変で耕耘機が必要になったり、肥料が大量にいるなど、手間やコストがかかります。ビギナーさんは、「畳6畳」前後の広さが手頃かなと思います。
道具置き場・水源・トイレがあるか
道具置き場があると便利
道具置き場、水道、トイレがあるかどうかもチェックしましょう。野菜づくりでは、クワやスコップ、ネットなど、かなり大きな道具を使います。毎回家から運ぶのは大変なので、道具置き場があると便利です。農園によっては、道具を貸出しているところもあります。気軽に野菜づくりを始めたい方は、こうした農園を選ぶのもおすすめです。
1m×50㎝ほどの棚に荷物を置いています
各人のクワやシャベルはまとめて保管
また、野菜の水やりや収穫した野菜を洗うのに、水は不可欠です。水源があるか、あるとしたら畑からどのくらいはなれているか、確認しましょう。水源があまり遠いと水を運ぶのに苦労します。ジョウロに入れた水はわりと重いんです!
以前借りていた田舎の畑には、水道がありませんでした。遠くのわき水からホースで水を引いて水やりをしていました。ワイルドな体験でいい思い出です。が、毎回のこととなると、やはり水源は近いにこしたことはありません。
水道がある畑は便利
トイレが近くにあるかどうかもチェックしましょう。特に冬は作業しているうちに体が冷えて、急にトイレに行きたくなることがあります(経験談)。トイレの有無は死活問題です!
アドバイス・サポート体制があるか
「おすすめの肥料は何?」
「水はどのくらいあげたらいいか」
「タネはどこで買えばいい?」
野菜づくりを始めると、分からないことや知りたいことが次々と出てきます。本やインターネットでほとんどの情報は手に入ります。でも直接専門家に聞くことができれば、鬼に金棒。その土地の気候や土の性質などもあるので、地元の情報は貴重です。
私の農園では、常駐のスタッフさんがいるので心強いです。また、まわりの畑の先輩もよい先生。仲良くなってなんでも教えてもらっています。
先輩方は、ビギナーには教えたくてうずうずしていますが「あまり出しゃばっても迷惑かな」と、お気遣いもしていただいているようです。人とのふれあいがあるのも、市民農園のいいところです。
また年に3回ほど講習会(無料)があり、「夏野菜の土づくり」「秋野菜の管理の方法」など、タイムリーな内容で野菜の作り方を教えてもらえます。この講習会、種苗屋さんや資材屋さんの営業もかねていて、「おすすすめの新品種」などの売り込みもあったりするのですが、自分の知りたい講習内容ならば参加するようにしています。
農園を見学する機会があったら、スタッフさんと話す、利用者さんの様子を観察する、など、農園の雰囲気もぜひ感じてください。人とのふれあいも、市民農園の楽しみの一つです。
家庭菜園・ポイントをおさえて市民農園を選びましょう
そもそも市民農園がどこにあるか分からない、という方は以下のサイトが参考になります。また、多くの自治体で貸し農園をしているので、地元の役所に問い合わせても、いろいろな情報が手に入ります。
インターネットで「市民農園」「貸し農園」などで検索しても、情報が拾えます。以下はビギナーさんが手軽に家庭菜園をはじめられる農園の一例です。市民農園も今や競争の時代。どの農園でも見学は大歓迎ですから、ぜひ畑に足を運んで、ご自身にあった市民農園を見つけてくださいね。
シェア畑
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