数年前から僕のまわりで「ネットワークビジネス」や「MLM(マルチ・レベル・マーケティング)」といった単語をよく聞ようになりました。
友人や後輩なんかが誘ってくることが多かったのですが、詳しく話を聞いてもなんだかモヤっとした事しか教えてもらえません。
そこで今回は、最近流行っているこうしたビジネスについて、自分が調べてみて知った注意点などをまとめてみました!
※簡単に説明するために、ところどころ詳しい説明は省略しています。ご了承ください。
目次
最近流行しているネットワークビジネスとは?
ネットワークビジネスやMLMを一言で表すなら、自分が買った商品を口コミで広めるイメージ。
商品を購入した本人が、別の場面ではその商品を他の人に売る。こうして消費者であると同時に、商品を売る側にもなれることがネットワークビジネスの特徴です。
小学校などで「ねずみ講」「マルチ商法」についての注意をする授業ってたまーにありませんでしたか?
現在ネットワークビジネスやMLMと名乗っているものの仕組みは、こうしたマルチ商法などと非常によく似ています。
商品を売ったらその取り分の〇〇%の利益が自分に返ってくる…とかが有名ですね。
法律的には問題はない
ここが重要なポイントなのですが、一般的にネットワークビジネスと呼ばれているものは、法律的には特に問題ありません。
これ、結構意外じゃありませんか?「マルチ系ビジネス=悪いこと!」みたいなイメージが強くて、始めたら警察に捕まる!なんて思っている人も多いみたいです。
しかし実際にはこうしたビジネスの方法は認められていて(連鎖販売取引と言います)、ミキプルーンで有名な三基商事などCMで見たことがある企業がやっていることもあります。
こうやって今まで自分が持っていたイメージがひっくり返され、簡単に稼げるような気がしてくると確かに始めたくなりますよね。
なんで批判されがちなの?
と、こうして聞いているとどうしてネットワークビジネスに悪い評判が立つのかがいまいちピンとこないかもしれません。
法律的にはOKなわけだし、自分が知っている有名な会社もやっているならば、上手に利用することができれば楽に稼げそうに思えてきて、勝ち組になれる気もしてきます。
しかし、悪い噂が立つのには必ず理由があります。
超グレーゾーン
先ほど法律的には特に問題ないとは言いましたが、きちんと言い直すならば「OKな会社とNGな会社とが分かりづらいため、取り締まり切れていない」というのが正解でしょう。
たとえば、ネットワークビジネスの方法で商品などの「モノ」を売る分には合法ですが、実体のない「おカネ」のやりとりだけだと違法になる…など、その線引きは結構ギリギリです。
実際、僕の友人が参加していた会社は警察から注意を受けて、今ではすっかり消えてしまいました。
中には違法にならないよう、カモフラージュのために商品(モノ)を販売すると言っておきながら、実際に利益を出すためには人を誘わなければならない…といったケースも多いです。
今の法律では、ネットワークビジネスは商品を売っていれば合法になるため、表向きはとりあえず何かしらの商品を用意して、ちゃんと販売しているようにみせることが多いです。
しかし、ほとんどのセミナーで言っていることの本質は「一人紹介すれば〇万円儲かります!」みたいなのと大差ありません。
僕が勧誘を受けたときにも、最初はお得な登録制ネットショッピングサイトを教えてくれるとの名目でしたが、話が進んでいくうちに「○○人誘えば月収15万円だよ!」みたいなオチになっていきました。
商品やサービス自体が利益になるわけではなく、人を誘うことが利益を生み出すような仕組みならば、その会社はちょっと注意が必要かもしれません。
このように法律的にギリギリを攻めた商売だと、悪いイメージがついても仕方がないような気がします。
結局、ごく一部の人しか儲からない
僕が話を聞いた時には「昔と今ではシステムが違う」とか、「全員が平等に稼げる」だとか宣伝されましたが、結局儲かるのは最初に始めた一部の人間です。
ネガティブな発言になってしまいますが、残念ながら今のところ世の中の全員が同時にお金持ちになる方法はありません。
理由は簡単で、自分がお金を受け取るということは、どこかでそのお金を支払っている他人がいるように今の世の中は出来ているから。
もしもセミナーで全員が平等に稼げるといった説明を受けた場合、その時点でアヤシイ会社だと思っていいと思います。
そもそもビジネスとして大したことがない
こうしたビジネスはそもそもすぐに潰れてしまうことがほとんどです。おそらく誘う側も心の底ではわかっているんじゃないかなと思います。
新しい働き方のスタイルを提案するにしては、やっていることは昔ながらのやり方で、とても長続きするようには思えないし、それでも誘い続けるのはやっぱり人を勧誘すること自体でお金を稼ぐシステムになっているから。
警察から注意などを受ける理由のほとんどは、そのビジネスが革新的すぎて時代が追い付いていないわけではなく、使い古された手法で明確に問題点が指摘されているからというケースが多いです。
ネットワークビジネスの定型文
こうしたネットワークビジネスに誘うときには、ある種のキメ台詞みたいなものが存在します。
ここが難しい点なのですが、法的にグレーな商売をしている企業でも、見方次第ではちょっと正しいことを言っていることがあります。
ここではそうしたセリフをいくつか紹介し、その言葉の中にある、正しい面とオカシイ面を両方伝えたいと思います!
「数年後には人間の仕事はAIにとられちゃう」
よく言われるのがこれです。
これから就職活動を始める学生から、今の仕事に不安を抱えている社会人まで、AI(人工知能)という言葉には関心があると思います。
この言葉が使われるシチュエーションとしては、「これから仕事はどんどんAIにとられちゃうから、今までとは違うことしないと生き残れない」などが多いです。
いろんなデータを使って説明されると、なんだか本当に不安になってきて、段々とそのビジネスを始めないと将来の自分が貧乏な暮らしをする羽目になると信じてしまうことも。
・ちょっと正しい点
AIや機械化によって無くなっていく仕事があるのは否定できません。
仕事の中心に計算などを用いている場合は、人間よりも正確なAIがどんどん出てくるでしょう。
例えば資産運用についてのアドバイスでは、ロボアドと呼ばれるAIがすでに活躍しています。
関連記事:【ロボアド】話題の資産運用ロボットアドバイザーとは?メリット・デメリット
将来のことを考えるときに、AIに奪われない仕事を探すことは、今後生きていくために大切なことだとは思います。
・問題点
AIを開発している方によると「人間の仕事を全て奪うほどAIは完璧ではないし、開発を進めても出来ないことはたくさんある」というのが正直なところみたいです。
例えば明日「じゃなくて今日」の天気を教えてと聞いてみても、Siriが教えてくれたのは明日の天気のほうでした。
IT業界の最先端をいくappleのAIですら、2018年になってもこんな簡単な文章をきちんと処理できないのです。これではとても人間と同じ仕事はできません。
ビジネスに誘ってきた人がこうしたセリフで不安を煽ってきた場合は注意しましょう!
「日本の借金の額はハンパないので、普通に生きていくと損をする」
これもよく言われますね。今までのようにサラリーマンが安定した職業とは言えない時代になった。
だからこそ今のうちに簡単に稼げるビジネスを一緒に始めないか?という流れで誘われます。
・ちょっと正しい点
確かに日本はたくさん借金をかかえていて、大きな問題になっています。
¥^年金制度がいつまで持つかはなんとも言えませんし、これは国民みんなが考えなければいけないでしょう。
将来に備えて、貯金や資産運用などで対策することは何も間違っていません。
↑セミナーなどで聞くイメージはこんな感じでしょうか。将来への不安と同時に、なんだか政治家への怒りまで沸いてきそうな…
関連記事:資産運用とはなにか?やめるべき?メリット・デメリット。初心者向けに簡単に解説。
・問題点
国というものは数百年の規模で続いていくものであるため、いま生きている人たちだけで全部の借金を計算するのは間違っています。
つまり、「日本の借金が一人当たり○○円で、これに備えてビジネスを始めよう」という言葉は問題解決にはつながっておらず、若干ズレています。
↑今いる自分たちだけで全部返そうとすると、確かにとんでもない額になりそうですが自分たちの子供や孫までみんなで分散することを考えると、実はそこまで脅威を感じなくても良さげ?
「学校の勉強は意味がないから若いうちからビジネスをやらなきゃ!」
このセリフは特に大学生を誘うときによく使われます。
学校での勉強ってなんだか退屈だし、それが将来何の役に立つのかも分からないため、モチベーションがぜんぜん上がりませんよね。
それと比べるとセミナーでビジネスについて説明する講師の人は、話すのがメチャクチャ上手だし、お金をたくさん稼いでいるように見えるし、憧れを抱くのは当然です。
しかしこの言葉にも「本当かな?」と疑問に思うポイントはあります。
・ちょっと正しい点
たしかに学校で学んでいることがそのまま仕事に使えることは少ないかもしれません。
学歴は無くても若いころから会社を作るなどして活躍している人もいますし、勉強する以外にやりたい事や目標があるのなら、そちらに全力投球する方が良いんじゃないかなと僕も思います。
ちゃんと目標が見えている人に対しては、ここで言われていることは間違いではないかもしれません。
・問題点
勉強していることに意味があるかどうかを決めるのは他人ではないと思います。
自分がやっていることに意味があるかどうかを決められるのは、自分しかいません。
美味しい話に注意!ネットワークビジネス以外にも稼ぐ方法はある。
この記事の前半でもお伝えしましたが、ネットワークビジネス自体は違法ではありません。
正しいやり方で利益を出して、参加している販売員(ディストリビューター)にお金を回している会社も中にはあると思います。
しかし僕が経験してきた限りでは、数年で急速に流行っている会社は法律違反ギリギリのラインで人を集めているところが多いです。
もしもこれから知人にビジネスに誘われた時、今回の記事でお伝えした内容に一致するところがあったら、その場ですぐ参加するかどうかは決めず、一回立ち止まって落ち着いてから考えるようにしましょう。
お金はいくらあっても困りませんし、それを稼ぐのはとても大事なこと。しかし稼ぐための方法はいくらでもあるし、ネトビジ!でも様々な情報を紹介しています。
ビジネスに誘われた際には、それ以外にもお金を稼げる方法がないかどうか、情報を集めることもオススメです!