インドが原産地のナスは、漬け物や炒めもの、煮物にと幅広い料理に使えるうれしい野菜。
糖質が主体で、あまり栄養価は高くないのですが、食養では体を冷やすと考えられていて、夏の暑い時期にぴったりの野菜です。
麻婆ナスに蒸しナス、ラタトゥイユ。自分で育てたナスで、絶品料理を楽しんではいかがでしょう。
目次
ナスの特徴
ナスの種類
関東では卵形、関西では長いナス、北海道や東北では小ぶりのナスが好まれる、とも言われます。
寒い地方では、冬の保存食として漬け物を作る時に、小さなナスの方が使いやすいからだとか。ただ現在は、食生活が均一化して卵形のナスが広く流通しています。
ちなみに、わが家のナスは卵形の「千両二号」です。
家庭菜園で人気の「千両二号」の苗
ナスの栽培時期
【苗の植えつけ】5月
【収穫】6月~9月
ナスの育て方・土づくり・栽培方法・収穫方法・コツ
ポイント
・同じ土地に植える(連作)ことを避ける
・肥料を適切に与える
・乾燥を避ける
ナスは連作が苦手な野菜です。ナスだけでなく、ナス科の野菜(トマト、ピーマン、シシトウ、ジャガイモなど)は、同じ土地で育てる場合は4~5年間隔をあけます。続けて植えると、病気にかかったり虫に食べられたりして、うまく育たないことがあります。
連作障害については>>こちらも参考にしてください。
【保存版】家庭菜園のコツ・連作障害とは?原因・対策・徹底解説
ナスを育てる土づくり
ナスは酸性に弱いので、苗を植える3週間前に堆肥を、2週間前に苦土石灰(くどせっかい:アルカリ性の肥料)をまき、耕しておきます。植えつけの1週間前にもう一度肥料を入ます。
肥料は牛ふんや、油かすや米ぬかなどを発酵させた「ボカシ肥」がおすすめです。野菜を育てるために必要な栄養分が多く含まれています。
土づくりについては>>こちらも参考にしてください。
【保存版】家庭菜園のコツ 「よい土」づくりの方法を徹底解説!
ナスの苗の植え方・コツ
ナスの苗は、ゴールデンウィークの頃にたくさん出回ります。良い苗は、節(茎と茎の間)が詰まっていて、全体にずんぐりとして葉が元気なもの。じっくり見て選びましょう。
青枯れ病などの病気にかかることもあるので、病気に強い「接木苗(つぎきなえ)」を選ぶのも1つの方法です。接木苗は、カボチャなどの台木にナスの苗を継ぎ足したもの。普通の苗より割高ですが、育てやすいのでビギナーさんにはおすすめです。園芸店などで手に入ります。
畝(うね:高く盛り上げた土)の幅は90㎝で作り、苗と苗の間は50㎝ほどあけて植えます。ポットの表面と畑の表面が同じくらいの深さで植え、根に土をかけて軽くおさえます。根のまわりにたっぷり水をあげます。
支柱を立てる
茎が倒れないように支柱を立てる
ひもを8の字に結ぶと茎を傷つけない
苗を植えたら、風で倒れないように支柱を立てます。茎を支柱に結びつけて固定します。このとき、ひもを8の字にすると、ゆとりができて茎を傷めません。ナスは寒さに弱いので、土の上にマルチシートやワラをかぶせておくと安心です。
わき芽を摘み取る
ナスは茎を3本仕立てにするのが基本だそうで、一番初めに咲いた花のすぐ下の2つのわき芽(枝の間の小さな芽)を残して、他のわき芽は摘み取ります。こうすると、3本の枝が成長してそこにたくさんの実がなります。
ただ、私はわき芽を摘んだことがありません。
育てているうちに、わき芽が大きくなっていつもそのまま。それでも、そこそこの数のナスがとれます。
3本仕立てでなくても、収穫は楽しめることをお伝えしておきます。
肥料と水やり・ナスが固くなった私の失敗談
土の上にマルチシートやワラをかぶせると、乾燥や害虫を抑えることができる
ナスは大きな実が次々となるため、十分な養分を必要とします。実がつき始めたら月に1、2回の割合で肥料をあげます。また、夏の高温日は土が乾燥しないようにたっぷりと水をあげます。みずみずしいナスが収穫できます。
去年、わが家のナスは実が固くなってしまいました。
「たっぷり水をあげたのにな」と思ったのですが、いろいろな人の話を聞くと、どうも肥料が足りなかったようです。
家庭菜園2年目で、土が弱っていたことも要因だと思います。また、花がつく頃に高温すぎたり、低温すぎたりしても実が固くなることがあるようです。
肥料をあげる方が良いといっても、あげ過ぎると虫がついたり味が落ちたりします。
その加減は実の成長具合によって調節します。毎年育ち具合が変わるので、肥料の量1つとっても判断が難しいです。
私は、「ちょっと少ないかな」くらいの量で様子を見て、ナスそのものの成長する力にかけています(笑)。
ナスの収穫方法・切り返し剪定
紫色の美しい花が咲きます
5月に苗を植えたら、6月の中旬頃から実がなります。
一番始めについた実は小さめの時に収穫しましょう。株が元気に育って、そのあとつく実が順調に成長します。
好みの大きさに実が育ってきたら順次収穫していきます。個人的には、小ぶりの時に収穫したナスは、身が詰まって甘くておいしいなと思っています。
8月になったら実のつき方が一段落します。
このとき、それぞれの枝の先を短く切ると(切り返し剪定)、9月に秋ナスが楽しめます。切り方に決まりはなく、思い切って切り落とした方が、株が元気になるそうです。剪定したら肥料をしっかりあげるのがコツ。切り口から元気の良い芽が出て実がなります。
私は「ナスは夏の食べ物」と思っているので、切り返し剪定はしたことがないのですが、市民農園では秋ナスがたわわに実っている畑があちこちにあります。「秋ナスが食べたい!」という方は、ぜひ剪定してみてください。
バッサリ枝を切ると株が若返るナス。人間も時々、いらないものをバッサリ切り落とせば、もしかしたら若返るのかも?とナスを見ながら思ったりしています。
家庭菜園・夏から秋まで楽しめるナスづくりにトライしましょう
天日干しして調理すると旨味倍増!
ナスが一度にたくさん収穫できたときは、「干しナス」にするのがおすすめです。
適当な大きさに切り、ザルなどにのせて天気の良い日に外に干します。3日くらい干すと、水分が抜けていい感じに。常温で1年はもつ、という情報もあります。私はすぐに使い切ってしまうのでその真偽は定かではありません。
使う時は水で戻して絞り、炒め物や煮物などに入れます。旨味がきゅっと凝縮されて、味わい深い料理に仕上がること間違いなし!
みなさんもぜひ、ナスづくりにトライしてくださいね!
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