ふっくらとしたさやからこぼれる、ひすい色のつややかな粒。
緑濃いグリンピースは、ビタミンやミネラルが豊富な健康野菜です。コツをおさえて育てれば、たくさんの実がたわわに実り、長い間収穫を楽しめます。
目次
グリンピースの特徴・育て方・栽培方法・失敗から学ぶポイント
グリンピースの特徴
タンパク質やビタミンA、B1、Cが多く、食物繊維も含んでいます。暑さには弱く、涼しい気候を好むので、秋に植えて春に収穫します。
グリンピースは、同じ土地に続けて植えると病気になりやすい(連作障害がおきやすい)野菜です。一度作った土地では、3~5年は作らないように注意します。また酸性の土に弱いので、タネまきの前に石灰資材(苦土石灰やカキ殻石灰)などで、土を中和しておきます。
連作障害については>>こちらも参考にしてくださいね。
【保存版】家庭菜園のコツ・連作障害とは?原因・対策・徹底解説
グリンピースの栽培時期
【タネまき】10月~11月
【収穫】5月~6月
【栽培の適温】15~20℃
グリンピースの土づくり・育て方・収穫方法・コツ
ポイント
・一度作った土地では、3~5年は作らない
・石灰資材で土を中和する
グリンピースの土作り
タネまきの2週間ほど前に、苦土石灰かカキ殻石灰を畑にまいて土を中和しておきます。石灰の量は、袋に記載されている量を参考にしてください。通常1㎡あたり150g前後をまきます。タネまきの1週間前には堆肥(たいひ)をすきこみます。堆肥は効き目がおだやかな、牛ふんがおすすめです。
90㎝幅の畝を作り、30~40㎝の間隔で、一ヶ所に3~4粒のタネを2~3㎝の深さにまきます。乾燥しないようにしっかり水やりをします。
30~40㎝の間隔で、3~4粒のタネをまく
グリンピースの間引き
本葉が3枚ほどになったら元気な苗を2本ほど残す
6~10日ほどで発芽します。本葉が3枚ほどになったら、元気な苗を2本ほど残し、他の苗は間引きします。寒さが厳しくなる前の11月下旬頃になったら、根元に切りワラやマルチシートを敷いて防寒します。
私が借りている市民農園では、みなさんそれぞれ、いろいろな方法で防寒対策をしていらっしゃいます。家にある道具や資材で上手に工夫しているな~と、いつもあちこちの畑を見て感心しています。
ペットボトルで防寒
苗が小さい頃は、ペットボトルで防寒する方法もあります。この畑の方は、普段から飲んだ後のボトルをとっておいたんですね。ペットボトルは他にも使い道があって、風車のように作って鳥よけにしている人もいます。
ネットで防寒・防虫
オーソドックスな方法はネットです。防寒と防虫効果が期待できます。
ワラで霜対策
ワラを傘のようにする方法。冷たい空気が苗をつたって霜になるのを防いでいます。わが家の畑の隣のプロの農家さんは、毎年この方法で防寒しています。
土の上にワラをひく方法もあります。ワラは園芸店などで売っていますが、値段が高いのが難点です。マルチシートはワラに比べると値段が手頃なので、わが家ではもっぱらマルチシートを利用しています。ただ、マルチシートはゴミになるのでこの点が心苦しいところです。
冬の間は地上の芽はそれほど伸びないので、「大きく育つかな」と心配になることがあります。でも、地下で根が大きく張っているので大丈夫。時々畑をのぞいて、成長具合をチェックしましょう。「元気に育っているね」なんて声を掛けると、野菜は嬉しくなって本当に元気に育ちます(経験談)。
土作りについては>>こちらを参考にしてください。
【保存版】家庭菜園のコツ 「よい土」づくりの方法を徹底解説!
石灰資材については>>こちらを参考にしてくださいね。
【保存版】家庭菜園のコツ・石灰資材の特徴・種類・選び方とは?徹底解説
支柱立て
春になるとつるが伸び始めます。15~20㎝ほどになったら、1.5~2mの高さの支柱をたてます。必要ならば、ひもを張る、茎を支柱にくくりつけるなどして、つるが上に伸びるように手を入れます。つるは2m近くまで伸びるものもあり、実がなると重みで支柱が倒れそうになります。支柱は太めのものを選び、土にしっかりとさしてください。
肥料は、タネまきの1ヶ月後と開花前に、その後は1ヶ月ごとを目安にあげます。ただ、マメ類は肥料が多すぎると葉が茂りすぎて、実に栄養がいかなくなることがあります。育ち具合をみながら肥料の量を調節しましょう。
太めの支柱をしっかりさす。必要に応じてひもで茎を固定する
開花と収穫
4月に入ると白やピンク色のかわいらしい花が咲き始めます。成長してくると、葉がこんもりとしてきます。グリンピースは湿気に弱いので、弱そうな枝は根元から切って、風通し、日当り、水はけを良くします。こうすることで病気を防ぎ、元気なさやを育てることができます。
こんもりしてきたら、枝を切って風通しを良くする
開花してから40日ほどで収穫の時期になります。実がふっくらとして、さやの表面にシワが入り始めたら収穫のサイン。1つ採ってさやをあけてみて、マメの育ち具合を確認しましょう。まるまると太っていたら採り時です。タイミングを逃すと、マメが固くなるので要注意。
さやを手でちぎって収穫する人もいますが、意外に力が必要です。ハサミでさやの付け根を切り取る方法がおすすめです。グリンピースは、長い期間たくさん収穫できるので、作りがいのある野菜です。
実がふっくらとして表面にシワが出てきたら収穫時
タネを買う時に注意!私の経験談
「エンドウ」という名前の野菜には、グリンピース(実エンドウ)の他に、皮ごと食べるスナックエンドウや、皮が平たいうちに食べるサヤエンドウもあります。それぞれ種類が違うので、タネを買う時に間違えないようにしましょう。
以前、グリンピースを植えたつもりだったのですが、サヤがなかなか膨らまず「もしや違うマメ類ではなかろうか」と心配になったことがありました。プロの農家さんに見てもらっても「キヌサヤちゃうか?」とのお言葉が。え~っ!確か植えたのはグリンピースのタネだったよね。でも確信がない。収穫楽しみにしてたのに。キヌサヤはあんまり好きじゃないし・・・。
悶々としながらサヤを見守る日々。少しずつ大きくなってきて、結局グリンピースだと判明してホッとしました。途中の段階では、グリンピースもキヌサヤも、プロでも見分けがつきません。タネを買う時点でしっかり確認しておきましょう!
スナックエンドウ:皮ごと食べます
キヌサヤ:マメが大きくなる前に収穫して食べます
家庭菜園でグリンピース作りにトライしましょう
収穫したグリンピースは、家に持ち帰ったらさやから出す作業があります。ちょっと手間がかかりますが、自然の恵みを手でさわる、という楽しみは家庭菜園ならではのもの。
採りたては柔らかくて風味が良いので、すぐに固めに塩ゆでしておきましょう。冷凍しておけば、1ヶ月は持ちます。炒り卵や豆ご飯、煮物などにぱらりとかけて、彩りと栄養をプラス。私は塩ゆでグリンピースをスプーンですくってご飯のように食べています。味付けしなくても美味!ぜひ、取り立てのグリンピースの味を楽しんで下さい。
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