コインチェック問題。仮想通貨投資をしている方にとっては本当に大きなニュースですよね…。
年明け直後くらいにはまだまだ仮想通貨の勢いは衰え知らず!な感じがしていましたが、最近は各メディアも注意深く様子を見ている状態のようです。
仮想通貨市場はこれまでも度々「バブルではないか?」と懸念され、その将来性に対する不安がささやかれていましたし、今回の件をきっかけにしてバブルが弾けるのではないかと心配されている方も多いと思います。
「お金2.0」がベストセラーになったように、これからの社会が仮想通貨によってどのように変わっていくのか、時代の流れはどの向きに進んでいくのかは、いまやほとんどの人が関心のある事柄ではないでしょうか。
そこで今回はコインチェック騒動からみる今後の仮想通貨業界を中心に、今後の経済について考えられるケースを考えてみたいと思います。
いまから仮想通貨に手を出すべきか否や…と悩んでいる方の参考にもなるような記事となっておりますので、興味のある方はご一読ください!
いま仮想通貨を持つ目的は?
いま仮想通貨を持つことを煽りまくっている方々の主張を聞いていると
・これからは仮想通貨の時代!現金なんて古い!
・日本円(JPY)のような、その国特有の通貨は廃れていく!ビットコインは国際通貨になるかも!?
・いま仮想通貨を持たないと時代の流れに取り残されていく
といった見方が強いようで、実際に「仮想通貨 ビットコイン」といったワードでググってみるとこうした意見の記事が少なくありません。
ただし、これらの意見は部分的に同意できる個所はあれど、そのほとんどはかなり極端な主張だと個人的には思います。
確かに、ここ数年の仮想通貨の盛り上がりや市場規模の拡大は目を見張るものがありますが、まるで「仮想通貨を持っていない=遅れている/負け組」のようなイメージは、皆にそう思わせることで得をするような、一部の人々に限られる価値観でしょう。
基本的にいま仮想通貨を持つ目的のほとんどは「投機目的」です。
これは安い時に買って高い時に売ることで、その利ざやを得ることを目的とするものであり、その実体は株式投資やFXと変わりません。
先述した「仮想通貨が時代の主流になる!」といった価値観や、通貨という名前が冠されていることから、もしかすると普通の預金と同じ認識をしてしまったのか、手持ちの資金をほぼすべて仮想通貨へ投入したお笑い芸人の方もいるようですが、いくら何でもやりすぎだろうと思います(止める人はいなかったのか…?)。
これから仮想通貨を運用しようと考えている方に注意してもらいたいのは、万が一無くなっても困らない金額で運用する事です。
当サイトでも仮想通貨に関する記事は数多く執筆されていますが、どんなに信頼できそうなものでも一点賭けは禁物。
投資をする際にはリスクを分散することが大前提であり、これはしばしば「すべての卵を同じカゴに入れないこと」と比喩されます。
一度でもカゴを落としたら全部の卵が割れてしまうような状況はできる限り避けなければなりません。
今後も不祥事は起こる可能性大
今回のコインチェックの件は仮想通貨業界に大きな衝撃を与えましたが、規模の大小に差はあれども、こうした不祥事は今後も無くならないでしょう。
匿名性が魅力であるビットコインは違法薬物の決済に利用されることもありましたし、スムーズに資金が移動できるという事は、今回のように巨額の資金が移動された際の対応が難しくなるとも考えられます。
極端な話をしてしまうと、仮想通貨の取引所にスパイとして忍び込んだ人がバレないように資金を移す…なんてことも。
また、業者の内部で事前に特定の銘柄が上がるような重要情報を得て、安いうちに大量に買い込み、利益を得るようなインサイダー取引や、その逆に虚偽の情報を掴まされるような風説の流布といった問題も考えられます。
結局まだまだ公的なルール作りの方が追い付いていないため、半分アナーキーな業界である以上、今はまだ信用できる通貨として機能するとは思えません。
現在の仮想通貨業界は未来の通貨を預ける銀行ではなく、賭けたお金のアップ/ダウンを楽しむギャンブル場です。
これから変わっていくことも期待できますが、今はまだこの認識で覚えておいてください。
規制を入れるか!?
ではどうすれば仮想通貨は信頼できるようになるのか。
その答えは公的な力が介入して、きちんとルールを作って規制することです(自由至上主義や、市場原理主義の方からは顰蹙を買いそうですが)。
日本円(JPY)や米ドル(USD)などが公的なものであるとすれば、ビットコインなどの仮想通貨は民間によって作られたものであり、しっかりとしたルールがまだありません。
なんだか「規制」「公権力」といった言葉をみると脊髄反射で否定する方がいらっしゃいますが、道路や学校、または警察のように、公的な力で管理した方が良いものは少なからず存在します。
通貨もその一つであり、レートが毎日のように乱高下する現在の仮想通貨は信用に欠けるため、今はまだ真に通貨として利用される可能性は限りなく低いです。
こうした事情を踏まえると、最初に挙げたような「これからは仮想通貨の時代!」といった考えは、間違いとは言えなくとも「言いすぎ」であることは確かでしょう。
という訳で、ここまでの話を総合してこれから仮想通貨を始めるか否かという疑問に答えるのならば、リスクを承知で一獲千金を狙うのならば規制が追い付いていない今がチャンスであり、きちんと通貨として利用したいのならばきちんとルールができるまで様子見するのが吉と言えます。
電子マネーが普及することは期待できる
さて、ここまでは仮想通貨の将来性に対して巷で噂されているものよりは後ろ向きな見方を示してきました。
ただし、これからの時代に現金の利用率が徐々に低下していき、Apple payのような電子マネーが台頭してくることは確かだと思います。
日本は先進国のなかではまだまだ現金信仰が強く、クレジットカードや電子マネーでの支払いよりも現金払いをする人の方が多いようです。
しかしこれこそ後進的といいますか、前時代的な支払方法になっていると言っても差し支えないでしょう。
その代表的な例として、現金を利用することにはお釣りの受け渡し、計算をすることによるコストがかかることが考えられます。
高額紙幣が使えない自販機や、お釣り不足による「現在1万円での支払いはご遠慮頂いております」といった無駄は、電子マネーを利用することで解決できる問題です。
実際に中国ではスマホによる決済が進み、スピーディーな取引が可能になっていますし、日本よりも中国の方でいち早くビットコインが注目を集めたのにも、こうした支払い方法がより普及していたことにヒントがあるのではないかと思われます。
勿論これもきちんとルールを定めて、公正で安全な取引ができるようになるようにすることが必要ですが、次第に世の中で現金が使われなくなることはかなりの高確率で訪れる未来でしょう。
もしかしたら近い将来、現金での支払いを受け付けないお店も出てくるかもしれません。
電子マネーの利用率上昇と、仮想通貨の地位上昇はセット!?
中国の例に見られるように、仮想通貨がその真価を発揮するとすれば、電子マネーでの取引がより一般に行われるようになる必要があると考えます。
現金を利用することよりも、スマホで支払うことの方がメジャーになる世界が訪れたとき、世界中で同じように利用できる仮想通貨があれば、それは確かに魅力を持つでしょう。
ただし、それが実現するためには公的機関によって、仮想通貨が安全に利用できるようなルール作りが不可欠です。
レートが安定して一定の値に保たれるようになったとき、はじめて仮想通貨はきちんと決済手段としての「通貨」として機能するようになるのです。
この観点から言えば、今すぐに仮想通貨を持つことに対して執着する必要はあまりないと言えます。
仮想通貨を本当に「通貨」として利用したいのであれば、いま下手に投資してお金が目減りするリスクを負うより、もうすこし業界全体が整備されてからにした方が堅実だといえるでしょう。
まとめ
仮想通貨が安定して利用されるようになるには、レートが安定して一定の値に保たれるようになることが必要であるという事実は、投機目的で運用したいと考えている方にとっては面白くない結論かもしれません。
しかしこれは考えてみれば当たり前のことであり、今日の1万円が数週間後には1000円になってしまうように不安定なものであれば、誰もそれを通貨として信用しようとはせず、決済には利用できないでしょう。
おそらくですが、いま仮想通貨を持つことをしきりに勧めてくる人たちは、最初からこれを投機材としてしか考えていないと思います。
それどころか通貨として利用されるために規制が入るようなことになれば、今度は別の稼げる手段を見つけ、そちらへ即効でシフトしていくでしょう。(その頃には「仮想通貨なんて古いよ(笑)」とか言い出しそう)
ただ、ちゃんとリスク判断をして、生活に支障が出ないレベルで投資を考えているのであれば、いま最も値動きが激しく一獲千金が狙えるのが仮想通貨であることもあながち間違いではないのは確かです。
「億り人」といったワードはそれを表す最たるものであり、基本的に億単位まで利益を上げられるような投機材はまずありません。
ちょっと火遊び程度のつもりで、小口で投資するのであれば、仮想通貨は選択肢としてアリだと言えます。
この時は必ずお小遣いの範囲で、「無くなってもいい金額で投資すること」。
これは仮想通貨に限らず、なにかに投資することを考えている人に絶対覚えておいてほしいです。
繰り返しになりますが、リスクを承知で一獲千金を狙うのならば規制が追い付いていない今がチャンスであり、きちんと通貨として利用したいのならばきちんとルールができるまで様子見するのが吉という認識で、これから投資するかどうか判断してください!